デザイン事務所 / 有限会社インジェクターイーユナイテッド / 代表 寺本恵里さん著の「けっきょく、よはく。」を読んだのでそのレビュー記事です。

読んだ感想を一言でいうと、デザイナーも非デザイナーもみんな一度は読むべきです。

大学生や社会人になると資料を作って人前で発表する機会が多々あるかと思いますが、そういった資料づくりにかなり活かせる内容だと思います。

内容

本書は、良いレイアウト / 悪いレイアウトをとてもシンプルに解説した本です。

飲食店のメニューやポスターなど実際のデザインを元にNGデザインとGOODデザインを取り上げ、何が悪いのか・何が良いのかが解説されています。
そして書籍のタイトルの通り、余白の使い方がどれほど大切かを教えてくれます。

私はこの本を読んだ時に思いました。

「よはく」の使い方はレイアウトデザインの真理だなと。

デザインというとどうしても

センスが大切なんでしょ?

とか

感覚でかっこいいの作ればいいんでしょ?

と思われがちですが、本書ではどうしてこのデザインはよくないのか。どうしてこのデザインはいいのかをとても簡潔にとてもロジカルに説明してくれています。

私は「デザイン」は課題解決の手法・手段であると考えています。(もちろんそれだけではありませんが。)

例えば女性向けのメディアで若い女性を集客したいと思ったらピンクや赤系を基調としたガーリーテイストで女性ウケを狙うと思いますし、子供向けのイベントポスターなどであればポップなフォントに明るい色使いで楽しさを表現すると思います。

デザインには理由があります。
アウトプットするデザインの背景には、ある課題を解決するための目的や意図があります。

本書ではその理由が非常に分かりやすく説明されています。

2回、3回と読みたいですし手元に置いておいてレイアウトデザインに困ったら参考にしたい、そんな本でした。

本書の良いところ

本書の良い点を挙げると以下の通りです。

  1. 見開きでNG/OKのデザインを解説しており見やすい。
  2. 解説が必要最低限で本書自体が余白をうまく利用してデザインされている。
  3. 実例が豊富
  4. 良いデザインの例として複数のバリュエーションが用意されている
  5. 資料作りなどの実例もあり、かなり実践的な内容

1. 見開きでNG/OKのデザインを解説しており見やすい。

NGとOKなデザインを見比べることができるので、視覚的に良い・悪いが分かります。

うまくUI/UXがデザインされてるなーと思いました。

2. 解説が必要最低限で本書自体が余白をうまく利用してデザインされている。

本書では「情報がごちゃごちゃあるようなデザインは良くないよ」と説かれているのですが、この本自体がしっかりと情報が整理され必要最低限の解説にとどまっています。

言ってることがしっかり体現されており読んでてとても気持ちいいです。

3. 実例が豊富

実例が豊富です。

レイアウトデザインに困った時はこの本をサンプル集のように使うこともできると思います。

4. 良いデザインの例として複数のバリュエーションが用意されている

OKデザインとして一つだけではなく複数のデザインが用意されています。

デザインに絶対的な正解はないと思うので、こんなデザインも良いしこういうデザインも良いよ!と提案されているのは大変勉強になります。

デザインの引き出しも増えると思います。

5. 資料作りなどの実例もあり、かなり実践的な内容

かなり実践的な内容です。

資料づくりで円グラフを用いる時にこういうデザインだと見やすくて良いなど、デザイナーではなくとも日常の中で活かすことのできるデザイン思考が身につくなと思います。

ゆえに、デザイナーも非デザイナーもみんな一度は読むべきだと思いました。

本書の悪いところ

正直、これといった欠点は見当たりません。

強いてあげるなら、デザインの解説の中で「こういうフォントと配色がおすすめだよ」というページがあるのですが色コードがないのでそれが記載されているとレイアウトの見本帳として完璧だなと思いました。

お時間のある方はぜひ一度読んでみてください。